「WI-1000XM2」ネックバンド型イヤホンをレビュー。音質・性能は大満足。ネックバンドって邪魔に感じる?
暑くなってきたので、イヤホンを買いました。
冬の間は、ヘッドフォン。去年の夏は別のイヤホンを使っていましたが、イヤーピース無くしてたり、ケーブルがくすんでいたりだったのでその辺を買い直すくらいなら、いっそのこと新しいイヤホン買っちゃおうかなと新規購入です。
秋葉原のeイヤホンにて税込み3.2万円程度で購入してきました。5月の終わりに購入して半月ほど使ったレビューになります。
購入にあたっての選定条件は
- 外で使うものなので、ノイズキャンセリングは欲しい
- 音質もある程度気にする
- 気軽に聴ける、ワイヤレス
- 音ゲーの為に、有線接続も出来たらいいな
です。
流石に上記の選定条件で星の数ほどあるイヤホンの中で一から選んだわけではないですが、「WI-1000XM2」を知っていて条件とマッチしたので購入に踏み切った形です。
最近のSONYのワイヤレスオーディオの商品展開的には、3シリーズ展開で「ヘッドフォン」「ネックバンド型イヤホン」「完全分離型イヤホン」となっており、実は完全分離型の「WF-1000XM3」と散々迷いました。
手軽さの面で完全分離のワイヤレスな「WF-1000XM3」にかなり傾いていたのですが、選定条件にも挙げた有線接続が捨てられず、最終的にはネックバンド型の「WI-1000XM2」を購入しました。
ここでひとつ、「ネックバンドって邪魔に感じるのではないか」という懸念がありました。散々レビュー記事を読み漁り、あんまり気にならないらしいと意見を汲み取り購入に踏み切りました。実際に使ってみると、ネックバンドの素材と質量自体が相まって確かに気になりませんでした。
かなり前置きが長くなってしました。
詳細は各章で深掘りするとして、さっそく本編に移ります。
開封
外箱は片手で持てる程度のコンパクトなサイズ感でした。
上段にはキャリングケースとイヤーピース・付属品。下段には説明書や保証書が入っていました。
イヤーピースと付属品は、ひと塊に同梱されていました。付属品ボックスの上にイヤーピースが並べられています。また、付属品ボックスには、「USB Type-C ケーブル」、「専用ヘッドホンケーブル」、「航空機用プラグアダプター」が収められていました。
因みに、たくさんのイヤーピースが同梱されていますが、以下の2種類が各サイズあり、用途と耳にあったサイズを使うとよりノイズキャンセリングの効果を高められるとのことです。
- ハイブリッドイヤーピースロング
よりフィット感の高い装着感が得られます。お買い上げ時はこちらのMが装着されています。
- トリプルコンフォートイヤーピース
遮音性が高く、長時間装着しても快適に使用できます。
そして、「WI-1000XM2」本体はキャリングケースに収納されていました。
仕様
「WI-1000XM2」は、「ブラック」、「プラチナシルバー」の2色展開で、今回はそのうちの「プラチナシルバー」を購入しました。型番的には「WI-1000XM2SM」となるようです。
気になるところを抜粋しています。
WI-1000XM2 | |
---|---|
型式 | 密閉ハイブリッド型 |
ドライバユニット | ハイブリッド |
再生周波数帯域 | 3 Hz-40,000 Hz |
入力プラグ | 金メッキL型ステレオミニプラグ(3.5mm) |
質量 | 約58g (本体:約44g) |
電源 | 内蔵充電式リチウムイオン電池 |
電池持続時間(連続音声再生時間) | 最大10時間(NC ON),最大12時間(アンビエントサウンドモード),最大15時間(NC OFF) |
充電時間 | 約3.5時間(充電10分で約80分使用可) |
通信方式 | Bluetooth標準規格 Ver.5.0 |
対応コーデック | SBC, AAC, LDAC |
付属品 | USB Type-C ケーブル(約20cm) / 専用ヘッドホンケーブル(約1m) / キャリングケース / ハイブリッドイヤーピースロングSS,S,M,L(各2個) / トリプルコンフォートイヤーピースS,M,L(各2個) / 航空機用プラグアダプター / 取扱説明書 / 保証書 |
更に細かい仕様は公式サイトをご確認ください。
SONY
WI-1000XM2 - 主な仕様各部の計測・チェック
大きさ
キャリングケースも、本体も片手で持てる程度の大きさで、携帯性に優れています。
ネックバンド型のイヤホンは形式上、どうしてもケースも大きくなりがちですが、「WI-1000XM2」はシリコン製のネックバンドを採用することにより、非常にコンパクトに纏めることが出来ます。
重量
重量は以下の通り、本体が58gと非常に軽量でした。
この軽さが寄与して、購入前、唯一の懸念材料であった「ネックバンドって邪魔に感じるのではないか」という不安も一気に払拭してくれました。
また、、キャリングケース(イヤホン、USB Type-C ケーブル、専用ヘッドホンケーブル入り)は、以下の通り138gでした。
※航空機用プラグアダプターは、普段使用せず持ち運びもしないので抜いています。
イヤホン
お待ちかね、「WI-1000XM2」イヤホン本体を見ていきます。
ネックバンドから、きし麵状のケーブルが伸び、ハウジング、ドライバ部まで繋がっています。リモコンは左のケーブル途中に設けられています。
ハウジングまわりです。
フィードフォワードマイク周辺のゴールドのリングが美しい...
リモコン部は、端から「ボリュームアップ」、「再生・一時停止/通話ボタン」、「ボリュームダウン」となっており、独立する「Cボタン」が、アプリから任意の機能を設定できるボタンとなっております。割り当て機能は「外音コントロール」、「Google アシスタント」、「Amazon Alexa」の3種類です。
ちなみに、このリモコンの裏には、通話用のマイクが設けられています。
ネックバンド本体の左側上面に、「電源ボタン」があり、内側に有線接続用の「ステレオミニジャック」、充電用の「USB Type-C コネクタ」があります。その隣には、状態通知用のランプがあります。
また、ネックバンド右側上面にはNFCが搭載されており、対応端末をかざすとペアリングが可能です。
キャリングケース
非常にコンパクトなケースですが、本体のネックバンド部を1周クルっと巻くと簡単に収納出来ます。また、蓋の面には、ケーブルなどの付属品をしまうことが可能です。
技術・特徴
ここでは、「WI-1000XM2」に使用される技術や特徴で主だったものをなるべくわかりやすく噛み砕いて解説していきます。
ドライバ構成
ハイブリッド機構です。
9mmのダイナミックドライバーユニット(DD)とバランスド・アーマチュア・ドライバーユニット(BA)の2つを搭載し、クリアで深みのある低音から鮮やかできめ細かい高音までの広帯域再生を実現したとのことです。
ハイブリッド型で広帯域再生を可能にしている原理ですが、ダイナミックドライバーユニット(DD)は、主にある程度広い再生周波数帯域(低音~中高音)を得意としています。対して、バランスド・アーマチュア・ドライバーユニット(BA)は、小型で特定の周波数を得意とし、主に高音を得意とします。(低音用のBAもあります。)これらを組み合わせお互いの得意とする帯域を生かして広帯域再生を可能としています。
「WI-1000XM2」のBAには、「XBA-N3」と同じBAが使われているそうで、こちらで高音域を担っているようです。
ハイブリッドや更に多くのDDやBAを組み合わせる所謂、多ドラという物は、上手く設計出来ていれば綺麗に広帯域再生を可能にしてくれます。出来ないと逆に音質の面でデメリットになります。
それぞれのドライバには得意な帯域がありますが、苦手な帯域も鳴っていない訳ではありません。得意な周波数のドライバを組み合わせたときに、それぞれの苦手になり始める帯域が干渉するのです。この干渉する部分をネットワーク回路なりソフトウェアなりで綺麗に処理(干渉する部分をフィルタで落とすなど)してあげないとただごちゃごちゃ騒がしいだけの音になってしまいます。
「WI-1000XM2」は、流石SONY。過去多くのノウハウを積んでいるメーカーというだけあって、ハイブリッド型でも扱いきれています。
最近は中華系、ハイエンド機で搭載ドライバ数のインパクトだけで売っているイヤホンもあるようです。多ければ良いという物でもないですね。(勿論、しっかりとした設計で素晴らしい商品も多数あります。)
ノイズキャンセリング
本製品、一番の売りと言っても良いくらいの技術です。ノイズキャンセリングの原理は、マイクによって騒音を拾い、騒音と逆位相の音を鳴らし、騒音を打ち消すというものです。
処理を担うチップはなんと、ヘッドフォンタイプの「WH-1000XM3」にも採用されている「QN1」を搭載しています。体積の面でも消費電力の面でも良くネックバンド型に搭載したなぁと感心しました。
また、ノイズキャンセリングに必要な収音にはなんと、2つのマイクを使用しています。フィードフォワードマイクで外の騒音を拾い、フィードバックで内側のノイズを拾います。通常は外音のみですが、「WI-1000XM2」では、2つのマイクを使用し、高度なノイズキャンセリングを実現しています。
全体的な処理の流れは以下のようになっているようです。
コーデック・アップスケーリング
「LDAC」に対応しています!(他にもSBCとAACに対応します。)
ソニーの開発したコーデックで、効率的な圧縮・転送を可能とし、通信環境に応じて最大990kbpsまで可変帯域でワイヤレス転送を行える技術になります。
冒頭で、購入検討時に完全分離型の「WF-1000XM3」と散々迷ったと記載しましたが、「WF-1000XM3」はLDACに対応しておらず、対応している本製品「WI-1000XM2」を選んだ選定理由でもあります。
また、アップスケーリングには、「DSEE HX」というこちらもソニー開発の技術が使われています。圧縮音源から元の音源に近づけるように、圧縮で失われたデータを推測、補完することにより音質向上を図るものになります。
アプリケーション
アプリからもノイズキャンセリングの効かせ具合や外音取り込み量の調整が「外音コントロール」にて可能です。
また、ユーザーの状態や行動、置かれる環境を自動判断し、ノイキャンや外音取り込みを自動調整する「アダプティブサウンドコントロール」もあります。
その他にも、プリセットや任意の設定が出来るイコライザー機能や登録した地点と位置情報を利用し、自動で外音コントロールとイコライザーを切り替えてくれるモードもあります。
また、本体ケーブルにある物理リモコンの「Cボタン」の機能割り当てもアプリ上から可能です。
その他、気圧に応じてノイキャンの最適化、音質モード切り替え、DSEE HXのON/OFFF、通知音や音声ガイド言語の変更などがアプリ上から可能です。
因みに、標準の日本語ガイダンス音声がめちゃくそカッコ悪かったので、即ガイダンス音声を英語に切り替えました。
実際に使ってみて
音質
先に書いておきます。私は優れた聴覚を持っている訳でもないので、音質に関しては正確な表現が出来ないかと思います。参考程度に見てください。
全体的に満足しています。低音や高音に偏った味付けもなく、楽曲を素直に鳴らしてくれます。解像度に関しては、期待してたよりはちょっぴり足りない気もしますが、必要十分ではあります。そして、閉塞感。これがイヤホンにしては閉塞感があまりなく好印象です。
ジャンルに縛られず、オールマイティーに鳴らせるイヤホンではないでしょうか。
ノイズキャンセリング性能
文句なしです!流石、ヘッドフォンタイプ「WH-1000XM3」にも使われるノイキャンプロセッサ「QN1」を詰め込んでるだけあります。
空調や町の雑音といった連続するノイズは、もう敵無し。と言って良いくらい綺麗に消してくれます。近くで話す人の声やアナウンス、線路のつなぎ目を渡る音など、突発的な音はどうしても消しきれない部分もありますが、それはこの製品に限らずなので問題なしです。(というより、安全面を考慮して敢えてこの辺は消しきっていない気もします。)
また、カナル型の遮音性とノイキャンが相まって、音楽の世界に集中させてくれます。
装着性・携帯性
一番買う前に気にしていた点です。ネックバンド型という事で、首周りに違和感を覚えないか、邪魔ではないか。気になってました。
結論から述べると、「問題なし!」でした。流石に付けているのは分かりますが、気になりません。上記でチェックしたように重さは58gと非常に軽いです。その辺の服より軽いでしょう。更に素材がシリコンという事もあり肌触りも良好です。ずっとつけていれば、つけていることを忘れている瞬間もありそうなくらい気になりませんでした。
ちなみに、旧世代の「WI-1000X」も試聴したりしてきたのですが、こちらはネックバンドが金属製で重く「身に着けている感」が強く気になってしまいました。
「WI-1000XM2」で大幅改善してくれてありがとう。
また、キャリングケースに入れた状態でも軽く小さいので、携帯性もバッチリでした。
なんなら、近状にちょろっと買い物くらいであれば、本体だけ首にかけて気軽に持ち出せます。
バッテリーもち
そこそこ持ちます。
音ゲーをやるために有線で使ったり、気軽に音楽だけ聴く為にワイヤレス等、使い方もバラバラですが、週4,5日程度、1日辺り1~2時間と言った使い方で1週間くらいは使えている気がします。
初期は概ね公表値といったところでしょうか。あとは経年劣化がどの程度かは気になりますが、発売からそこまで経ってないので、経年劣化についてはまだわかりませんね。
まとめ
季節の変わり目、気温上昇という外敵により購入に踏み切ったイヤホン「WI-1000XM2」でしたが、総評「大満足」です。
素晴らしいノイキャン性能、十分な音質。快適な装着性や携帯性を兼ね備えた満足度の高いワイヤレスイヤホンでした。
人生初めてのネックバンド型でしたが、初で良い商品に巡り会えて良かったです。
あとは、長持ちしくれる事を願いつつ、好きな楽曲の鑑賞と音ゲーに勤しむ事とします。
P.S.苦手なオーディオ分野のレビューで疲れました。念入りに下調べ等していますが、間違いなどあったら教えて頂けると幸いです。
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